万引き家族 から見る切なく儚い家族という絆
こんにちは😃きりりです。
是枝監督が「万引き家族」でパルムドール賞をカンヌで取りました。すごいことです。
彼の映画は「そして父になる」は病院で取り違えられた息子同士のお話で審査員賞、「誰も知らない」は、捨てられた兄弟たちが肩を寄せ合って生きていく姿を柳楽優弥が14歳で同じくカンヌで主演男優賞を取りましたね。
こうやっていくつか作品を並べただけでも、なんとなく彼の社会の切り取り方がわかるような気がします。
今回のブログは「万引き家族」のネタバレのブログではなく、彼が切り取った世界観から現代社会をきりりと分析したいと思います。
🔹USに見る典型的家族の崩壊
これは1980年代くらいから、社会学の世界では、「家族ってなんだ?」という議論が盛んになっていました。
離婚が当たり前になってきて、父親、母親が複数いることは当たり前だし、腹違いの子供が離婚再婚を繰り返すことによって、「えっ、この子も自分の妹なの?」なんてシーンがたくさん出てきた。つい最近NHKでやっていた 'This is US'というドラマも、白人夫婦の間にブラックの養子をもらうことでの兄弟たちの確執を描いていましたよね。
🔹日本の各種保障における典型的家族は?
USだけでなく、日本でも色々な家族の形が出ているにも関わらず、あいも変わらず、夫婦(当然男女という前提)プラス子供二人というのが全ての社会保障などの大前提になっています。既に合計特殊出生率が2.0を切ってもう20年以上経つというのにね。因みに合計特殊出生率とは15〜49歳の女性が一生の間に産むとした時の、子供の数に該当します。
🔹家族とはなんだろう?
「そして父になる」においても、小学生になってから、自分が育てていた子供が病院で取り違えられた「血の繋がっていない子」であることがわかり、都会で生活をしている父親は、悩むというストーリーでした。今回の家族もそういった意味では、正式な結婚だとか、正式な親子関係は全くなく、ただ皆が寂しくて、社会からスピンオフされた人たちで、「万引き」という反社会的なことでつながりがあるだけの集団です。
でも、一時的な感情で盛り上がり、欲しくもない子供を作り、邪魔だと虐待する家族や、パチンコ屋で勝負に夢中になり、子供を車に残してきたことを忘れてしまう親と比べ、血が繋がっていなくても、愛し愛される関係の親子関係は、もしかしたらもっと崇高かもしれないし、うわべだけの家族関係のアンチテーゼかもしれないね。
🔹人はなぜ結婚するんだ?
結婚が家族を形成するための必須事項なんだろうか?
動物としてのヒト属としては、きっと子孫を残すためだったろうね。
でもこれだけ社会的にストレスが高い社会になると、ちょっとしたことで実の親だろうが実の子だろうが、虐待し、愛情すらもなく自分勝手になっていく。
またストレスによって、子孫を残したくても残せない家族というのも増えている。なぜこんな理不尽が起こるのかと思うのかもしれない。
人は時にとても一人ではいられなくなるほど、寂しくなる時がある。その時のための非常手段の一つとして結婚するのか?
それだけではあまりに悲し過ぎる。
🔹まとめ
今や何十年連れ添った夫婦であっても、定年離婚は増え続けている。日本独特の我慢の文化が定年という区切りになって、いよいよ堪忍袋の緒が切れる。利害が合えば繋がり続けるのか?本当に愛でつながり続けられるのか?
日本の家族の形を古典的にとらえる視点から、なんのための家族なのか?を考える良いきっかけになると、きりりは思うのです。
映画も小説も、見たり読んだりすることで、考える世界が広がるよ。
今日青山ブックセンターが閉店するというニュースが入ってきました。
日本国民の考える力が劣っていかないように、きりりは強く願います。
では、またね〜