kiririkun’s diary

歌って踊れるフリーのサラリーパーソンの社会派ブログ。 時事やエンタメをやさしく解説するよ。

DDD@横浜2018を総括する〜俄かダンス批評家きりりです

歌って踊れる社会派と謳っている限り、やはりダンスの評論もしなくてはね〜〜

 

こんばんは、きりりです。すごい台風でしたね。夜中の12時過ぎには流石に怖かったな。

 

昨日の9月30日で、2ヶ月に渡るダンスダンスダンス@横浜

オールジャンルの三年に一度のフェスティバルが終了しました。これで確か3回目です。ダンスでここまでのジャンルをカバーしたフェスは日本では稀。

 

なんといっても目玉は、ベイサイドに作られた仮説舞台での野外バレエですが、今年はそれに加えて、

 

なんと日仏修好160周年、ということで、リヨンダンスビエンナーレのダイレクター、ドミニクエルヴュ女史を招き、更に市民巻き込み型ダイレクター?として、ノリの良い近藤良平氏の二人を立てたこと結果として、一つ一つの演目が輝いたように、きりりは思いました。

 

🔹日仏関連の作品はどれも、筆舌に尽くしがたい!

 

まずはアクラムカーン。確か現在はイギリス在住だけど、もともとはバングラデシュ🇧🇩の振付家でダンサー。影絵を作った作品で、一瞬子供も楽しめるのだけれど、移民としての自分のアイデンティティを問う深い作品になっている。どの位の人が感じたかわからないけれど、欧州関連の仕事が多いきりりは、考えこんでしまった。島国では、難民移民問題はまだ他人事だものね

 

日仏トリプルビル

これは、横浜で演じた後、欧州ツアーに出るのです、というかもう出たのかな。

まさか、ドミニクが、東京ゲゲゲイを指名するとは!凄い感度ですね。ワカモノ中心に、昭和歌謡ショーのようで、ドリフのようで、でもダンスキレキレのゲゲゲイ。多様性を具現化してるのは凄い。フランスでどんな反応が出るか楽しみだな。

 

そしてオーディションで選ばれたヒップホップ系の日本人の五人の男の子たち。彼らを振り付けるのは、フランス人の二人の振付家。まさに日仏共同作業だ。一つの作品はひたすら頭を床につけながら踊るという、ダンサーにとってはとても過酷なダンス。でもその不思議な動きに観客は釘付けになる。そしてもう一つは、ヒップホップがここまで芸術性の高い作品になるのかと思える、流れるような動き。新たなダンスの可能性だ。ヒップホップのステレオタイプが壊される。そう、破壊こそ次のクリエーションに繋がる。

 

そしてマチュランボルズ。シルクドソレイユの流れをくむフィリップドウクフレと系統が同様のシルク、フランス語のサーカスの意味、をベースにしたアーティストでもあり、振付家でもある。彼は大車輪を使った自分のソロ作品に加え、事故で左脚を失ったダンサーエディタベとの、片脚が無いことを上手く振り付けに入れ込み、まさにフランスのエスプリを感じるような、ユーモア溢れるダンス作品を作った。片脚が無いということも多様性の一つとして粋に使いこなす、ダンスとなる。凄い!ここまで日本は行けるのか?メンタリティの違いすら感じてしまう。

 

そしてバレエロレーヌ

過去の素晴らしい、振り付けを現代に蘇らせるコンテンポラリーダンス。マースカニングハムの、ダンサーの多様性を貫いた振り付けは素晴らしい。ダンサーは必ずしも細くて脚が細いだけで無いし、わざとポワントで立ちながら、フラフラさせたり、観客があれっと思うような振り付けをさせても美しいフォーメーションは変わらない。

イリアムフォーサイスの振り付けは、肉体の動きの美しさを、踊りできっちり見せる、シンプルな舞台装飾に、光と影を上手く使うのはフォーサイス的で美しい。

そして最後の作品はアメリカの振付家のもの。確か30年近く前の振り付けだがそこに、時代を感じるとしたら衣装の色とデザインくらいか。あとは今でも新しさがある。

 

🔹まとめ

 

踊れるサラリーパーソンとしてきりりは、まだまだ書きたいことはあるけれど、もっとも原始的なダンスという表現手段の多彩さを、フランスとの共同作業で観れたのは、この断裂していくグローバル世界の中でとても素敵なことである。

 

きりりはまだ観続けるし、自分でも踊る。そしてこのようなフェスティバルが社会的にもっと認知されることを望みたい。

 

そして外国人ダイレクターの起用もグローバルでは当たり前だよなぁ。

 

とおもうのである。

 

俄か評論家のきりりでした〜〜