吉本興業に見るコーポレートガバナンスの甘さについて
オレオレ詐偽と同様、何度となく、注意喚起されても治らない日本の不治の病、コーポレートガバナンスの堅牢化。
なぜこんなに、脇が甘々なんでしょうか?
🔹吉本興業はお話にならない
この会社、皆さん知ってるかどうかわかりませんが、2010年まで東証一部に上場していた会社です。
それが、各芸人さんとの契約書もない、
反社会勢力への協力に気付いた芸人さんの、記者会見をやめるように勧める、
さらには全く危機管理能力ゼロの記者会見を開く
あり得ないですよね。
そもそも芸能人のマネージメント会社のアカウンタビリティーを考えると、社会経験がとても矮小化している若手の芸能人に対し、社会常識を教えたり、
或いは、
反社会勢力から守ったりするのが存在意義の一つと思うのです。
その大きな役割を果たしてないどころか、賃金足りない分は勝手に何とかせい、なんてジョークにもなりません。
ただ、今回の事件で吉本興業が一つ役割を果たしたのは、こういうことに無関心な層にも、関心を起こすことができた!ということでしょうか?
🔹コーポレートガバナンスコードは、どんどん強化されていくのだ
あくまでコード=指針ですから、法律的拘束力はそれほど強くはありませんが、
この世の中、悪さをすれば必ずどこかでリークが起き、情報が拡散されます。
きちんと広報対応、株式会社であれば株主対応をやらなければ、不信感だけが募っていく訳です。
給料が最低賃金を下回るような、会社にあって、内部監査や、監査法人による監査は無かったのか、
あったとしても無視していたのか、これでは昔の置屋と変わりませんよね。
コーポレートガバナンスコードについては多分経産省などが所管なのでしょうが、更には金融庁主導でKey Audit Matters、所謂監査上、非常に重要な事項は、きちんと報告をしなければいけないという義務が2021年から本格導入されるにも拘らず、こんなことが起こるというのは、きっと多くの経営者が、経営の勉強をちゃんと行っていない証ではないでしょうか?
🔹第三セクターの社長も、どうなのか?
日本の自動運転技術を遅らせた、という意味において、つい先日あった、某自治体60%所有の自動運転モノレールの追突事故です。
これも天下りの行政職員が、位付けで社長となれるポジションにいたからという安易な理由で、社長を任命しているわけです。
行政一筋でやってきた人に、いきなり経営マネージメントなどやらせること自体本当は酷です。
任命される方も、そこに発生する責任を感じる感受性がないから安易な第二の人生として受けてしまうわけです。
最近はむしろそこのポジションは、民間でそれなりの経験を持った方に移行しつつありますが、この民間人の適用も、非常に気をつけなければならず、予後の人生という感じの方は、遠慮願うだけの慧眼を持って、選んでほしいですね。
🔹世界から遅れていく
こんな前近代的な組織運営による不祥事に、気を取られている間に、世界の技術競争はどんどん進んでいき、今や取り残されつつあるわけです。
経済政策という響きの良い言葉に惑わされず、ぜひ、善行を粛々と積みながら、世に新たなものやコトを出せるだけの新たな組織に脱皮していただきたい…
とここまで書いたら日産自動車様の1万人リストラ策のニュースがポップアップしてきました。
おいおい、それ最終手段だろうよ、ガバナンス整え終えたのかい?ときりりは問いかけたい。
ほんじゃまたね〜〜